お知らせ

非上場株式等に係る相続税等の納税猶予制度について

非上場株式等に係る相続税等の納税猶予制度(事業承継税制)関係

会社の後継者が先代の経営者から非上場会社の株式を譲り受けた際の、相続税等の負担を軽くする事業承継税制については、平成21年度の創設以来、当初想定していたほど利用が進んでいない状況にあることなどから、この制度の使い勝手などを高めるための抜本的な見直しが行われます。

1 要件の緩和
(1)納税猶予の取消事由に係る雇用確保要件の緩和
現行の、常時使用従業員数の平均が「5年間毎年8割以上確保」から、「5年間平均で8割以上確保」に緩和されます。

(2)後継者の親族間承継要件の廃止
非上場会社を経営していた被相続人の親族である要件は廃止され、親族外の後継者(例えば優秀な番頭さんなど)への相続又は贈与であっても適用対象とされます。

(3)贈与税の納税猶予における先代経営者の役員退任要件の緩和
贈与者の要件のうち、贈与時において認定会社の役員でないこととする要件について、贈与時において代表権を有していないことに緩和されます。

2 負担の軽減
(1)利子税の負担軽減
納税猶予期間に係る利子税の割合が現行年2.1%から0.9%(現行)に引き下がるとともに経済産業大臣の認定の有効期間(5年間)の経過後に納税猶予税額の全部又は一部を納付する場合については当該期間中の利子税が免除されます。

(2)猶予税額の一部免除
民事再生計画等に基づき事業再生を行う場合には、猶予税額を再計算し、税額が一部免除されます。

(3)納税猶予税額の計算方法の見直し
先代経営者の債務等を相続税の課税価格から控除する場合には、非上場株式等以外の財産の価額から控除することとされます。

3 手続の簡素化
(1)経済産業大臣による事前確認制度の廃止
相続又は贈与前の経済産業大臣による事前確認制度を不要とし、経営者が突然亡くなった場合にも制度の活用が可能とされます。

(2)提出書類の簡略化
相続税等の申告書、継続届出書等に係る添付書類のうち、一定のものについては、提出を要しないこととされます。

(3)株券不発行会社への適用拡大
株券発行会社について、一定の要件を満たす場合には、株券の発行をしなくても担保提供を可能とし、株券不発行会社にも制度が活用できることとされます。

(4)猶予税額に対する延納・物納の適用
雇用確保要件が満たされないために経済産業大臣の認定が取り消された場合において、納税猶予税額を納付しなければならないときは、延納又は物納の適用を選択することが可能とされます。

※上記の改正は、所要の経過措置を講じた上で、平成27年1月1日以後に相続若しくは遺贈又は贈与により取得する財産に係る相続税又は贈与税について適用されます。