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事業承継は社長の仕事

中小企業は、雇用の創出や新技術の開発など、地域経済の牽引役として重要な役割を果たしていま す。取引先とのつながり、経営ノウハウ、従業員などの経営資源を守りながら、中小企業が地域経済 の担い手として活躍していくためには、将来を見据えた計画的な事業運営が欠かせません。  しかし、65歳以上の中小企業経営者が4割を占める中、今後も事業を継続・発展させるために、次 世代へスムーズに事業承継を進めることが課題になっています。  中小企業庁においても、「事業承継5か年計画」を策定し、今後5年ほどを事業承継支援の集中実 施期間とするとしています。

事業承継の実行までの5つのステップ

  • Step 1:事業承継に向けた準備の必要性の認識(経営者の気づき)
    事業承継は、経営者の身内だけの問題ではありません。従業員の雇用や、取引先との信頼関係など、 会社が周囲に与える影響は大きいものです。後継者を次期経営者としての能力を備えた人物に育成す るには、5年〜 10年が必要と言われます。また、事業用資産や経営資源の承継も計画的に進めてい く必要があります。そのため早めの着手が必要になります。
  •  Step 2:経営状況・経営課題等の把握(見える化
    経営状況を把握するためのツール(中小会計要領・ローカルベンチマーク等)を活用しながら、経 営の見える化を行い、事業を維持・成長させるための利益確保ができる仕組みになっているか、商品 やサービス競争力があるかなど、経営課題を明確にします。また、後継者候補の有無、親族内株主と 取引先等の理解、相続財産の特定など、事業承継の課題についても見える化します。
  •  Step 3:事業承継に向けた経営改善(磨き上げ)
    経営者が将来の事業承継を見据えて、本業の競争力の強化によって企業価値を高め、後継者にとっ て魅力的な状態にまで引き上げます。また、社内規定の整備、内部統制の構築などにも取り組むほか、 不要資産や滞留在庫の処分、余剰負債の返済など経営のスリム化を行います。事業が悪化している場 合は、債務整理等の事業再生に着手します。
  • Step 4:事業承継計画策定(親族内承継・従業員承継の場合)
    円滑に引き継ぎを進めるために、後継者とともに、株式、事業用資産や代表権の承継時期を記載し た事業承継計画を策定します(社外への引き継ぎの場合は、マッチングの実施)。
  • Step 5:事業承継の実行(親族内承継・従業員承継の場合)
    株式、事業用資産や経営権の承継を実行します(社外への引き継ぎの場合は、M&A等の実行)。

事業承継のサポート制度

  •  経営承継円滑化法
    自社株式の相続・贈与に係る税負担を猶予または免除される「経営承継税制」、自社株式を遺留分の算定基礎から除外する「遺留分に関する民法の特例」、事業承継に必要な資金を融資する「金 融支援」があります。
  • 事業承継補助金
    事業承継(事業再生を含む)を契機として、経営革新等、事業転換を行う場合、設備投資・販路 拡大・既存事業の廃業等に必要な経費を支援します。
  •  経営者保証に関するガイドライン
    事業承継時に、本ガイドラインに基づき、一定の要件を満たす場合には、既存の保証契約の解除 や適切な保証金額への見直しが行える可能性があります。
  •  事業承継引継ぎ支援センター 後継者のいない中小企業とそれを引き継ぐ意欲のある中小企業に対して、事業引継ぎにおける課 題解決のための助言、情報提供、M&Aマッチング支援等を行います。

    【参考】

    ●中小企業庁「事業承継ガイドライン」
    http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/2016/161205shoukei1.pdf
    ●中小企業庁「経営者のための事業承継マニュアル」
    (※) http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/2017/170410shoukei.pdf
    ●中小企業庁「会社を未来につなげる10年先の会社を考えよう」
    http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/2017/170327shoukei.
    pdf