対談:上釜 光輝 × 浮田 直宏
The Road to Specialists
人と人から道が生まれる。対談
所長の浮田が、お客様の本音を聞き出す社長対談シリーズ第19弾。
今回は、枕崎市で「いるかの教室」、「こども発達支援センターいるか」
及び「いるかの家」を経営されている
一般社団法人はやぶさ福祉会の上釜光輝様にお話を伺いました。
浮田(以下H) この事業を、始めようと思ったきっかけは何だったのでしょうか。
上釜(以下U) 枕崎は40歳の時に同窓会があるのですが、当時の市長が、「枕崎は過疎化が進んでいます。皆さんもいい年齢になったので、ふるさとに納税して地元に貢献してください。」と言われ、私自身も今勤めている佐賀県・大川の施設で、経営側の立場になり、一定の生活力がついてきたので、事業を行い地元に貢献したいと考えたのがきっかけです。
H 地域貢献への思いから、開業につながったのですね。
U ちょうど妹(理事)が、グループホームに勤めていたので、事業をやってみないかと誘い、スタートしました。当時、妹の子どもが幼稚園に通いだしたところだったので、幼稚園のお母さんたちから情報収集すると障がいのある子どもさんについて悩んでいる方が多くいることが分かりました。我々が、枕崎で障がい者の放課後デイを始めようと考えていることを伝えると保護者の方が集まってきましたので、先に保護者会を組織しました。
H 事業を始める前にすでに、お客様を確保した形ですね。事業が成り立つ採算ラインの定員数はどの程度なのですか。
U 定員の6割いれば事業が成り立ちます。まず6人の子どもさんを集めればいいのですが、すぐめどが立ちました。それで、法人を立ち上げ、次は融資というところまできました。
H そのタイミングでうちに相談に来られたのですか。
U 実は、大川の税理士さんに相談に行ったら断られたのです。代表が、別の企業に勤めながら、しかも大川に住んでいて、鹿児島で起業するのは無理だと門前払いだったのです。これは鹿児島で探さないといけないと思い、ネットで見てご連絡しました。
H そうだったのですね。その後、事業は順調にこられたのですか。何か、大変なことはありましたか。
U 大変なことは、特にありませんでした。今まで、大川で実践してきたことをそのまま、枕崎でもやっていくだけでしたので。
H それは、すごいですね。ほとんどの経営者は、創業後2、3年ぐらいまではなかなか軌道に乗らず苦しむ方が多いものですから。枕崎に同業者は結構あるのですか。
U 開業当時は、ありませんでした。今も数件程度です。
H それでは、枕崎第一号だったのですね。人口から考えて、需要はまだまだあるのですか。
U マーケット的には学年に1人障がいのある子どもさんがいると仮定すると、学校の数をかければ約30~40人はいることになります。それに加えて障がいがあると認定はされてはいませんが、施設の手助けがいる軽微な障がいのある子どもさんもいます。このような支援が必要な子どもさんに十分なサービスを提供しようと考えますと、まだまだニーズはあると思います。
H 御社が枕崎に施設を開業するまで施設がなかったことを考えますと開業以前は、子どもさんを預ける先がなくて困っていらっしゃった方々も数多くいたのかもしれませんね。それだけでも枕崎に貢献していらっしゃいます。枕崎の方を雇用して、税金も納めて当初の思いはある程度達成されているといっても過言ではないです。
U 我々のような施設がなかった時代は、ただ家にいるというような状態だったと思います。今では、施設も増えましたが、まだ、重度の障がいがある子どもさんを支援する施設は少ないので、今後は、そこを支援するのが私たちの次の役割だと思っています。
H ただいろいろな思いがあっても、事業なのでどうしても利益を上げていかなければやりたいこともできないし、従業員さんにも還元できません。そこが、難しいですね。
U そうですね。成長して、従業員の待遇を改善していくしかないです。節約して利益を出しても尻すぼみですから。成長するには規模を大きくしていかなければいけないと常日頃考えています。
H 1店舗だと売り上げの上限が業種的に決まってきますから、どうしても店舗を増やしていかないといけないのですね。
U 多店舗展開するには、現状のような試行錯誤してやっていく形から、プログラム化、マニュアル化しなければなりません。例えば、新人教育であれば、新人教育のマニュアルがあって、マニュアルの中に1週間、1か月のプログラムを作成し、どの店舗も品質が保てなければ多店舗展開は難しいと思います。
H 確かに多店舗展開するにはマニュアルの作成と教育担当等の役割分担が必要になるでしょうね。
U 教育体制は大事ですね。新人は毎日、レポートを書かせ、そこで悩みを聞いたりしながらやり取りをしていく。ただ、その間に、障がい者支援の視点じゃない人は離職していきます。
H 枕崎以外にも施設のニーズはあるのですか。
U この業界も全国的には、飽和状態です。株式会社で多店舗展開しているところが一気に広がって、ニーズが満たされています。ただ、都市部はともかく、過疎地等の田舎にはまだニーズがあると思います。
H ないと困る事業ですし、あっても潰れてもらったら元も子もない。でも、ニーズがあっても田舎の過疎地にはあまり誰も施設を開業したがらないのが現状なのですね。
U 我々のような田舎の過疎地で施設を経営している者同士で連携してやっていかないと過疎地では生き残れないかもしれません。個人的には、皆さんが行きたがらないところに我々が行ってあげたい気持ちはあります。
H 今後の展望をお聞かせ下さい。
U 熊本や福岡に療育のプロの仲間がたくさんできたので、スタッフの人材育成をしながら教育システムを整え、鹿児島から、熊本、福岡へと店舗展開していきたいです。良いサービスを提供できる企業が成長できると思っていますので、今後も成長したいし、成長させたい。結果は後からついてくると思っています。まずは、加世田店を成功させないといけません。
H それは楽しみですね。私としては、理事長には、同業者で事業運営に困っている経営者にアドバイスをしていただきたいです。実際、弊社のお客様で困っていらっしゃる方に専門家としてのご意見をいただいて大変喜ばれています。しかも、無償でしていただきました。
U 今まで失敗を含めていろいろな経験をしてきていますので、お役に立つことはできると思います。立ち上げが肝心ですので、最初からお手伝い出来たらあまり失敗はしないと思います。コンサルができるようになったのも自分自身の経済力なのですよ。経済力がないと、期待に応えようと無理して失敗しますから。
H 確かに、経済力がなければ、少しでも高く自分を売り込もうと無理してしまいます。能力と信用があれば経済力も自ずとついてきて、無理しなくても稼げますからね。御社の今後の展望をお手伝いできるように、私共も活動のエリアをさらに広げていかないといけないと、ひしひしと感じています。本日はどうもありがとうございました。今後も、ご活躍を期待しています。
障がいのある児童から成人の方まで繋がりのある支援ができます。
Profile
代表理事 上釜 光輝 様
枕崎市出身。2014年4月に児童発達支援・放課後等デイサービス等の事業を枕崎市で開始。
座右の銘:「闘志なき者は去れ」母校鹿児島商業高校野球部訓です。福祉サービスの経営は顧客満足第一ですが、サービス提供する職員は常に高い志と支援技術を追求することが大切と思っています。私の心には常にこの言葉があります。
一般社団法人 はやぶさ福祉会
代表理事 | 上釜 光輝 |
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HP | https://hayabusa-group.net/ |
【はやぶさ福祉会の強み】
基本理念や事業の目的、目標を職員一同で共有し、利用者様とご家族に安心してサービスを使ってもらい幸せを感じて貰えるような支援を行っています。
いるかの教室
住所 | 〒898-0015 鹿児島県枕崎市西本町24-1 |
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TEL | 0993-78-3608 |
FAX | 0993-78-3609 |
平日 | 9:30~18:00 |
休業日 | 8:30~17:00 |
こども発達支援センターいるか
住所 | 〒898-0015 鹿児島県枕崎市西本町12 |
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TEL | 0993-78-3608 |
FAX | 0993-78-3609 |
平日 | 9:30~18:00 |
休業日 | 8:30~17:00 |
いるかの家(西本町)
住所 | 〒898-0015 鹿児島県枕崎市西本町26 |
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TEL | 0993-78-3608 |
FAX | 0993-78-3609 |
いるかの家(千代田町)
住所 | 〒898-0012 鹿児島県枕崎市千代田町113 |
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