代表対談 The Road to Specialists

対談: 吉村博行×浮田直宏

The Road to Specialists

人と人から道が生まれる。対談

神園二代目所長の浮田が、お客様の本音を聞きだす社長対談シリーズ第2弾。今回は、薩摩川内市で焼肉店を開業されて十年目を迎える『やきにく吉むら』の吉村社長に伺いました。焼肉の奥深い話から、今までにいたる数々のエピソード。そして、今後の夢にまで語っていただき、我々も多くの勉強をさせていただきました。

理容師から調理師へ。
きっかけは運命的な出会いでした。

「やきにく吉むら」 社長 吉村博行様

浮田(以下U ) まずは、この業界に入られたきっかけを教えていただけますか?
吉村社長(以下Y) そうですね、調理師になりたいという夢を初めて抱いたのは、確か小学四年生くらいのときだったと思います。というのは当時、叔父が大洋漁業に勤めており、世界中の海を航海していました。そこでたまたま豪華客船の話を聞いたのがきっかけです。また、家で母の手伝いをする度に、味に対するこだわりが芽生えてきました。何でしょう、舌が肥えてきたというか大人から見たら、大変生意気な坊主に思えたでしょうね。
では、最初から調理師に?
いえ、自分の中には調理師の夢がありながらも、親の勧めがあり、中学を卒業すると同時に理容師のみちへ進みました。
意外ですね。それはどちらで?
まずは鹿児島、その後東京に出ました。そのまま理容業界で二〇年間、仕事をしました。それから、ちょうど三十五歳のときに、独立を考えましたが、当時はバブルもはじけ、いざ独立するには資金がかかり難しかった。理容師の業界も、私が若い頃に比べると、時代が変わり技術も違って来つつありましたし。
それから、鹿児島へ?
実際、理容店をするか調理師をめざすか2、3年は悩みました。しかしながら、幼いときに抱いた調理師への夢が自分の中で打ち勝ち、そんな中、運命的な出会いがありまして。
運命を変える出会いですか?
そうです。東京の麻布十番の焼肉店『三幸園』の社長に声をかけていただき、6年間の修行生活が始まりました。


「神園会計事務所」  税理士 浮田直宏

理容師から調理師へ。いきなりの転職で、大変だったのでは?
それが、そこのお店は、一晩で250万を売り上げるほどの大きなお店でした。東京の高級な場所だけに、多くの有名人も次々と来店され、忙しくて6年間は早かったですね。
なぜ薩摩川内市で焼肉店を?
東京の焼肉店で、焼肉はこんなにおいしいものなの?という衝撃をうけ、ならば鹿児島でも勝負してみたいと日々考えていました。そんなある日、鹿児島に戻り、家族で食事をしているときに、突然兄が『焼肉店をやりたい』と口にしたのです。そのときに、すごく背中を押されたような気がしまして。うまく説明できないのですが、目に見えない大きな力でドーンと背中を押されて、鹿児島でやってみようと決意しました。
平成十三年に開業されて今年で十年目を迎えられます。最初に苦労されたことはありますか?
まずは、オープンして2ヶ月目に狂牛病が話題になり、対応に大変でした。また、詳しく市場調査をせずに始めたので、こちらでは飲み物を持ち込む制度が常識化していることを知りました。焼肉店は、肉だけの儲けだけではやっていくことは厳しく、サイドメニューや飲み物でなりたっていますので、申し訳ありませんが、持ち込みはお断りさせていただいております。
いろいろなとまどいもあられたのでしょう。そのサイドメニューや飲み物にも大変なこだわりが?
韓国風の焼肉店でありますので、サイドメニューは調味料からこだわっております。たとえば、コチジャンの作り方にしても、ミネラル分の多い塩をあえて使うことによって他にはない味が出来ます。お酒は、マッコ リですね。韓国のどぶろくといわれてます。福島の清酒メーカーにお願いして作っておりますので、日本人の味覚にあわせてあります。どちらも、自信作で、特に女性の方にも人気ありますよ。
大変恐れ入りました。そこまでのこだわりがあられるんですね。そこで、飲食業を経営されるにあたり気を使われている点をお聞かせいただければ。
いろいろなタイプのお客様がいらっしゃいます。そのお客様に応じて、品物の勧め方や商品の説明ができるように接客係に教育しています。お客様の満足度を高めていくために、プロの意識をもって接客していきたい。自分も修行時代にたくさん教わってきましたから。
東京でのプロ意識を経験されているのは、大変な強みでは。
食べ物は個人によって好き嫌いがあり、100人中100人を満足させるのは難しい。お客様がえらぶのは自由ですから。うちのお店が好きで、もう一度行きたいと思えるようなお客様を一人でも多く増やし、大事にしていきたいと考えております。値段ではなく、まだまだ味や技術で挑んでいきたいですね。
最後に今後の展開や夢をお聞かせください。
全国的にみて、こちら鹿児島でもおいしい焼肉がたべられるということを広めていきたいですね。黒毛和牛や黒豚といった鹿児島にしかないもの、それが東京や大阪に比べると安い値段で口にすることができます。クッパやビビンバ、冷麺などをもっと身近にしていき、鹿児島オリジナルを発信していきたいと思っております。
いやあ、貴重な時間とお話をありがとうございました。われわれも同じサービス業でありますので、ぜひ今後の参考にさせていただきます。

Profile

「やきにく吉むら」 社長 吉村博行様

吉村博行

  • 1956年生まれ
  • 阿久根市出身
  • 趣味:釣り、バイク
  • 座右の銘:一期一会

やきにく吉むら

やきにく吉むら

Tel 0996-22-0678
営業時間/17:30〜23:00
(ラストオーダー22:30) 年中無休


お店を訪ねて

3号線を川内駅の方から、阿久根方面に向かい、南日本銀行のある交差点を右に曲がり、一〇〇メートルほど歩くと、左手に現われてくる。炭火で焼くので、食欲をそそるその香りに導かれていきそうだ。

中に入ると、四つのテーブルがあり、奥には最大十五名が収容できる座敷が構えている。ちょうど、夕方であったが、奥の方では、おそらく県外の団体客であろう、こちらでは聞きなれない言葉が賑やかに飛び交い、肉が焼ける音と重なり、心地よく感じた。

テーブルには、女性の団体客が多く目についた。とりあえず生麦酒をたのみ、店長お勧めのハラミを注文した。サイドメニューからは、自家製キムチ、コチジャンでカニを活きたままつけた「ケジャン」が。
焼肉には特製のたれと独特の柔らかい肉、そこに、韓国の焼酎マッコリがあうことを実感できた。

そういえば、壁に張られたサインが気になり、よくみると、なんとあの有名な某野球選手ではないか。WBCでの優勝メンバーにまで連なったあの選手がよく来てくれますと店長が嬉しそうに語る。世界一になった選手の舌をとりこにするくらいだから、私みたいな若輩者が感想を述べるのは気が引ける。おいしく、ちょっと贅沢をし、楽しめる店「やきにく吉むら」。運がよければ、野球選手に会えるかもしれない。もう一度乾杯しましょう。ここ薩摩川内市からメジャーへ羽ばたいていただきたい気持ちを込めて。

(浮田 直宏)神園二代目所長の浮田が、お客様の本音を聞きだす社長対談シリーズ第2弾。今回は、薩摩川内市で焼肉店を開業されて十年目を迎える『やきにく吉むら』の吉村社長に伺いました。焼肉の奥深い話から、今までにいたる数々のエピソード。そして、今後の夢にまで語っていただき、我々も多くの勉強をさせていただきました。