お知らせ

決算までに仮払金勘定を清算する

仮払金や立替金などの仮勘定は、内容が不明な取引等があった場合に、安易に使われてしまうこと
がよくある勘定科目です。精算等が可能なものは早急に精算をすること、精算についての社内規定を
作成するように指導しましょう。

仮払金や立替金などの仮勘定における注意事項

  •  新たな増加分に注意

仮払金、立替金などの勘定科目の監査にあたっては、実在性と回収可能性の2点に注意しましょう。
取引内容の確認は、経理担当者ではなく経営者に直接質問して、その支出内容が周知されているか確かめます。
新たな増加があれば、その実在性を確認します。相手先の氏名、住所、増加した理由と業務との関
連性について相手方から入手した領収書、契約書、支払証明書等の証憑書類で確かめます。相手先から入手した証憑書類がなければ、仮払精算書に氏名、住所、取引の内容を具体的に記載しておくよう指導します。

  •  業務との関連性がない立替金、高額な仮払金などがある場合

業務との関連性のない立替金、仮払金や貸付金は、本来その企業が支出すべきものでない場合が多いため、早期に回収するよう関与先責任者に指導します。特に、高額の仮払金の発生があった場合には、その相手勘定が何なのか確かめ、他勘定からの振替であるときはその内容を精査し、適切な会計処理であるか検討します。
同族関係者及び役員や従業員に対するこれらの債権に関して、回収の見込みのないことが明らかな場合は、認定賞与等臨時的な給与とされる可能性があるため、その旨を関与先責任者に説明し、適切な措置を行うよう指導します。
回収が長期にわたり、かつ内容が貸付金であると認められるもので貸付金利息が計上されていなければ、仮払金、未収入金その他の名目に関わらず、その利息計上が必要か検討し、必要であると認められる場合は関与先責任者にその旨を説明し指導します。

金融機関の眼

金融機関の審査担当者の目線では、仮払金、前渡金、前払金、立替金等の「その他流動資産」に計上される勘定科目については、不自然に多額の金額が計上されていることがあり、中には「お化け3勘定」などと呼んで、注意を促している場合もあるようです。
例えば、「当該勘定には、土地取得にあたって支払った手付金または本来経費として損益計算書に
おいて処理すべき金額、さらには使途がはっきりしない支出など、様々な金額が雑多に計上されてい
るケースがあるとし、交際費、広告宣伝費等、本来費用処理すべきものを当該雑勘定で処理している
場合は、全額減額修正し、役員に対する貸付金を仮払金として計上している場合で、本人に返済意思はあるものの回収の目途が立っていないケースにおいては、当該役員の資力によって減額割合を決定する」などの対応が金融機関内部においてなされているようです。