対談 The Road to Specialists

対談:前畠さとみ×浮田直宏

 

The Road to Specialists

 

人と人から道が生まれる。対談

 

所長の浮田が、お客様の本音を聞き出す社長対談シリーズ第6弾。
今回は、さつま町で黒毛和牛の焼肉専門店を経営されている一福さんにお話を伺いました。



                 前畠さとみ社長.JPG

浮田(以下U)この業界に入られたきっかけを教えてください。
前畠社長(以下M)
父と弟が畜産業を営んでいて、父が将来は焼肉屋をやりたいという願望がありましたので、私に帰ってきてやらないかと持ちかけられたのがスタートですね。
そうですか。女性の経営者ということで大変だったことは 何かありますか?
女性だからというよりも、経営に全く携わったこともなければ、接客もしたことがなかったので、全てが大変でした。

何もかもがゼロからのスタートだったのですね。
焼肉屋を始めるということで、いろいろなところに勉強に行きました。しかし、少し勉強したくらいでできるわけでもなく、父や弟が畜産に関わる人とのつながりがあり、助けてもらった部分が大きいです。
店内を見ると、内装がとてもきれいですね。今までの川薩地域の焼肉屋さんの造りと違うといいますか、女性ならではのこだわりを随所に感じられます。
お店を始める時に大阪などの焼肉屋さんをあちこち見に行きました。それを参考にし、焼肉屋という型を破ったような、女性好みの内装になっていると思います。
焼肉屋といえば、油のにおいがするとか、煙っているといったイメージが 強いですよね。


そうですよね。それに、ただ広いところに衝立が置いてあるだけみたいなイメージもありますよね。でも、そんなイメージのお店にはしたくなかったのです。あとは、東京や大阪などの都会の方は、隣の席との隔てがなくても周りを気にされずに食事をされるんですが、鹿児島の方は、隣をすごく気にされる方が多いように感じます。
ですから、全室個室になっているのですね。
そうです。全室個室はお客様からとても喜ばれています。あと、自分がお店で食事をすると考えたときに、掘りごたつだったら楽でいいなぁと思ったので、テーブルは掘りごたつにしました。
そう言われれば、全室が掘りごたつですね。あと、器もきれいなものや、デザインがおしゃれなものが多いようですが、何かこだわりがあるのでしょうか?
お店を始める前から器にはこだわりたいと思っていました。


一福店内

お店の中はお花もきれいに飾られていますね。
お店にはお花を生けたいと常に思っていて、1週間に1回はお花屋さんに来てもらっています。
・・・あ、今日の取材のために生けたのではないですからね(笑)。
(笑)。男性経営者では気がつきにくい部分ではないでしょうか。女性ならではの気遣いを感じますね.

 


一番のこだわりはお肉だと思いますが、どういった点にこだわっていますか?
当店では地元の黒毛和牛のお肉をお出ししています。実は、さつま町には本当の黒毛和牛を食べさせるお店はありません。しかも、薩摩中央家畜市場は子牛の購買頭数が全国でも有数で、県内外から買い付けに来てもらっています。それで、地元のお肉にこだわっています。
それは知りませんでした。
そして、購買頭数が多いということは、自分の牛は人に売るけれども、自分の牛がお肉になったところを見たことがないのです。それで、お店の前に牛の個体識別番号をいつも貼りだしています。それを見て、今日食べた牛が自分の育てた牛だと喜んで帰られるお客様もいらっしゃいます。当店でお出しするお肉は、基本的には、自社牧場のお肉なのですが、それが足りないときなど、地元優先で仕入れるようにしています。そして、お肉といえば等級を気にされる方もいらっしゃいますが、当店では、4等級以上のお肉を仕入れています。
東京や大阪では、少なくとも4等級以上のお肉は一福さんの倍くらいの価格設定になるでしょうね。
だから、県外のお客様は、このお肉と量をみて驚かれる方も多いのですが、地元の方にはなかなか理解一福メニューしてもらえないですね。
お店を始められた時は、いろいろと不安を感じたり、大変なこともあったのではないですか?
そうですね。不安や大変なこともスムーズに解決し、素人がここまでやってこられたのも神園会計事務所さんのおかげですね。最初の融資の時も、大変お世話になりました(笑)。
いやいや、社長さんやスタッフのみなさんの頑張りがあってのことだと思います。スタッフの方に対して、気を遣っていることはありますか?
はい、フロアスタッフはお店の顔ですので、年齢に関係なく、お客様をもてなすことを忘れないように、「気持ちよく来てもらって、気持ちよく帰っていただく」ことを心がけています。
外部での研修の参加はどうですか?
外部研修はありませんが、講師の方を招いて、電話応対や接客マナーの講習をしていただきました。
そうですか。接客のいいお店は、教える人、核となる人が変わらないので、誰が入ってきても、接客の質は変わらないと聞いたことがあります。
お勧めのメニューはありますか?
そうですね、焼肉はもちろんですが、牛肉のしゃぶしゃぶがおいしいですよ。これは予約が必要です。
そうですか。鹿児島でしゃぶしゃぶというと、豚の方が多いですよね。
そのしゃぶしゃぶのお肉なのですが、1人前4500円で、サーロインとリブロースを使っています。
そうなんですか。ちょっと豪華なときに来るって感じですね。肉の部位や質を考えますと、価格設定はだいぶ抑えられているように感じます。
タレに対するこだわりはどうですか?
最初は、タレも自分で作ったりしていましたが、餅は餅屋といったところで、気に入ったものがあったり、自分で作ったタレがうまくいかなかったら、すぐに変えてしまうんですよね。
そうなんですが。こだわりで作られていると思っていました。
今のタレですが、前使っていたタレと、新しいタレを混ぜて使っています。それでお客様に意見をお聞きしたりして、試行錯誤しています。
今後の展開、夢はどうですか?
そうですね、夢でしたら、2号店ですかね。
本当に鹿児島中央駅辺りですと、どんどん飲食業のお店が増えていっていて活気が出ていますよね。
あとは、ランチもしてみたいと思っています。
ゆっくりしたい方には、個室ですのでいいかもしれないですね。


 初め、私が担当した時は、経営していくのに不安を感じているのがひしひしと感じましたが、今は立派な一経営者として、試行錯誤しながら努力されておられます。
焼肉業界は、食中毒事件で逆風が吹いていますが、一福さんは安全管理に新氏に取り組んできましたので、こういう時こそ消費者から選ばれるお店になると思います。頑張ってください。

 

 

profile

有限会社 一 福 代表取締役
前畠 さとみ

さつま町出身

趣味:ゴルフとショッピング

座右の銘:人の振り見て我が振り直せ 

 

Shop Date

焼 肉   一  福

住所 薩摩郡さつま町宮之城屋地1577-3

TEL 0996-52-0311

定休日 木曜日(ただし、セリ市1日目と重なった場合は振替になります)

営業時間 ランチ11:00~14:30(ラストオーダー14:00)

18:00~22:00(ラストオーダー21:30)