対談 The Road to Specialists

対談: 南原武博×浮田直宏

The Road to Specialists

人と人から道が生まれる。対談

所長の浮田が、お客様の本音を聞きだす社長対談シリーズ第3弾。
今回は、第59回全国農業コンクールで栄えある優秀賞を受賞された、(有)南原農園 代表 南原武博さんにお話を伺いました。さつま町で花卉栽培をして創業22年、南原社長に10年先を見据えた大規模花卉経営の展開について熱く語っていただきました。

南原 武博様

全国農業コンクール優秀賞おめでとうございます。このコンクールですが、何度目の出場になるんですか?
いや、このコンクールは初めてですね。平成16年に花の農業コンクールで農林大臣賞を受賞はしているのですが、今回の全国農業コンクールは、米から野菜・畜産など全部入ったコンクールで、前回とはまたちょっと違いましたね。
その中で優秀賞に選ばれたのですか?
毎年各県から代表が選ばれ、そのうち全国で20社に絞られます。その中で優秀賞をいただきました。まだ上の賞がありますので、まだまだチャレンジしていきたいですね。
そうですね、次こそはですね。ところで、今やられている業態を教えてください。
7200坪の温室で、私と経理全般を担当する妻、そして父と弟を構成員に、32種類、100品種を超えるブライダル用の花や切葉を生産し、出荷しています。あと、新しい事業として自社製造のものと他社からの仕入れた物を加工したプリザーブドフラワーを販売しています。

 


緑油が、資産価値からすると原油に匹敵するんです。

薪ボイラー、廃材

そういえば、いろいろと新しい取り組みをされていますが、その中でも薪ボイラーを設置されたきっかけを教えてください。
きっかけは、数年前の原油高騰によって、燃料費や運賃・包装紙といった原価・経費が増えました。そのコストを抑えるためにいろいろと選択肢はあったのですが、薪ボイラーが一番と思い選択しました。
実際にどれぐらい削減したのですか?
そうですねえ、年間3000万円ほどかかっていた暖房経費が約27%の削減が出来ました。さらに、CO2排出量取引から試算すると、年間、800tほどの削減につながり、排出量取引で約60万円の収益が見込まれ、年内のCO2排出量取引の締結に向け、準備を進めているところです。さらに、経営上のメリットとしては、燃料費が原油の相場で変動する変動費だったものが、薪になったことで固定の金額で取引できる、固定費に変わった事です。このため非常に計画が立てやすくなったんです。 
そのように多くの利点があるんですね。その薪は、さつま町の間伐材や、建設会社から出た家屋等の解体による廃材を利用していると聞いているのですが。
30年40年前には山に木を植えて、その木を建築などで使うと思って、お金になると考えていたのですが、それが今、逆に外材など安い木材が手に入るようになったため、山に手を入れなくなったんです。そのため、水害の原因にもなってますね。それらの資材を利用しているので地域社会にとってもいろいろメリットがあるのです。
そうなんですか。地球環境の面からみてもいいわけですね。
そうです。インターネットであった言葉で緑油という言葉を使っています。ですから燃料として、山自体(緑油)が、資産価値からすると原油に匹敵するんです。

 


オリジナルですと比べられないので強いんですよね

浮田直宏

今後のプリザーブドフラワーの展開はどのようにお考えですか?
その辺に生えている草花をプリザーブドフラワーにしていこうと思っています。しかも今、新しい技術で、コーティング剤入りのプリザーブドフラワーが出来るようになりました。それは、どういった利点があるかというと、水や直射日光に弱いという弱点が克服されたため、ブーケなどの装飾品としても使えるようになり、新しい価値が出てきました。
それは、すごい。幅が広がりますね。
さらに、うちの商品としてはプルメリアやカサブランカなど他社にない花を、うちだけにしかない加工液で作っています。今の商売で考えると、比べられるものがあるのが一番弱いんですよね。オリジナルですと比べられないので強いんですよね。
これだけ情報が多いと比べやすいですよね。
物の価値観というのは、その基準という数字がないと誰もわからない。そこを目指していこうと思っています。
その発想は、素晴らしいですね。比べるものがなければ付加価値の設定が高めにできますから。
そして今、香港へ向けてプリザーブドフラワーを出していこうと思っているんです。従業員の中には、まだまだという声があるんですが、自分としては、「まずやる」「まずうごいてみる」といったことをしてみないとどうしようもないと思うんですよね。
私もそうだと思います。何もかもがそろってからですと遅くなってしまいますからね。だれか早い人がいたら、2番煎じになってしまいますから。先手で行かないと、とは思っています。
そうですね、動く分には失敗はしても知れてますね。何百万、何千万となると大変ですけど。
外に向かって仕事をしているうちに能力が追いつくこともありますよね。何もしなければ勉強をしろといってもしないですからね。余力のあるうちに進んでいかないと、お金が無くなってからでは何もできないですからね。今の世の中は、動かないことの方がリスクだと思いますし。
経営者は、世の中の先の仕組みを考えていらっしゃると思うのですが、どれだけ先を見て、日本は、わが町は、5年後どのように変わっていくのかを考えていかないといけないんですよね。今、自分の位置的にどういう事をしないといけないのか?どう経営していかないといけないのか?という目の前の課題を解決していかないと、その会社はつぶれてしまいます。
そうですよね。そういった情報を地道に収集するしかないですよね。考えるだけで二の足を踏むというか、他人事というか、危機感を表に出さない経営者が多いのも事実です。その中で、独自の観察眼と行動力で結果を残されていることはすばらしいことだと思います。これから先も引き続き南原農園さんの発展に大いに期待しております。
本日はお忙しい中、貴重な時間を取っていただき、ありがとうございました。


Profile

南原 武博様

(有)南原農園 代表
南原 武博

  • 1966年生まれ さつま町出身
  • 趣味:特に無し。強いて言えば仕事。
  • 座右の銘:10年先を見据えた農業経営

プリザーブドフラワーpreserved flowerとは

プリザーブドフラワー

プリザーブドフラワーとは、特殊な加工液を使って、脱水・脱色・染色(せんしょく)を施し、長期観賞を可能にした「花の加工品」。ドライフラワーと異なり、花弁の鮮やかさは、生きた花と比べても遜色なく触っても柔らかくて瑞々しい。


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