お知らせ

軽減税率の導入で請求書・レシートの記載が変わります


2019年10月に導入される軽減税率制度は、飲食料品及び新聞を現行税率の8%に据え置き、 負担を軽減するものです。また、軽減税率の導入に伴い、請求書等の記載事項が変更され、 2019年10月1日から「区分記載請求書等保存方式」が、2023年10月1日からは「適格請求書等 保存方式」(インボイス方式)が導入されます。請求書等の記載要件・保存要件、帳簿の記載要 件が厳格化されますので、仕入税額控除にあたっては注意が必要です。

1.請求書等保存方式、区分記載請求書等保存方式、適格請求書等保存方式の記載事項の比較 (消法30⑨、28年改正法附則34②、新消法57の4①)

 

請求書等保存方式 区分記載請求書等保存方式 適格請求書等保存方式
① 書類の作成者の氏名又は名称 ① 書類の作成者の氏名又は名称 ① 適格請求書発行事業者の氏名 又は名称及び登録番号
② 課税資産の譲渡等を 行った年月日 ② 課税資産の譲渡等を行った年月日 ② 課税資産の譲渡等を行った年月日
③    課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
③ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
(課税資産の 譲渡が軽減対象資産の
譲渡等である場合には、資産の内容 及び軽減対象資産
の譲渡等である旨)
③ 課税資産の譲渡等に係る資産 又は役務の内容(課税資産の 譲渡が軽減対象資産の譲渡等 である場合には、資産の内容 及び軽減対象資産の譲渡等で ある旨)
④ 課税資産の譲渡等の税込価額 ④ 税率ごとに合計した課税資産 の譲渡等の税込価額 ④ 税率ごとに区分した課税資産 の譲渡等の税抜価額又は税込 価額の合計額及び適用税率
⑤ 税率ごとに区分した消費税額 等
⑤ 書類の交付を受ける当該事業者の氏名又は名称 ⑤ 書類の交付を受ける当該事業 者の氏名又は名称 (注1)区分記載請求書等保存方式 では、現行の請求書等保存方式 (軽減税率制度の実施前)の請 求書等の記載事項に下線部分が 追加されます。 ⑥ 書類の交付を受ける当該事業 者の氏名又は名称 (注2)適格請求書等保存方式では、 区分記載請求書等の記載事項に下線部分が追加されます。
(参考) 「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」(国税庁消費税軽減税率制 度対応室)

2.2019年10月からは「区分記載請求書等保存方式」に!

2019年10月1日から2023年9月30日までの間は、従来の「請求書等保存方式」を維持しつつ、 区分経理に対応するための措置として「区分記載請求書等保存方式」が導入されます。
(1) 記載事項の注意点
① 「区分記載請求書」の記載事項である「軽減税率の対象品目である旨」の記載は、売り手 と買い手の双方が、何が軽減税率適用対象の商品かわかるのであれば、「※」印等を付す方 法以外にも、例えば、適用税率ごとに請求書を分け、それぞれの請求書に税率を明記する方 法なども認められます。
② 新たに追加された2項目の記載がない「区分記載請求書」を受け取った場合、受領者は取 引の事実に基づいて「区分記載請求書」に追記することができます。
③ 免税事業者も「区分記載請求書」を交付することができます。
(2) 「区分記載請求書等保存方式」においても、現行制度から変わらない点
① 「区分記載請求書」には、一定の記載事項を満たす領収書や納品書、小売事業者等が交付 するレシートなど取引の事実を証する書類も含まれます。
② 「区分記載請求書」の交付義務及び交付した「区分記載請求書」の写しの保存義務はあり ません。
③ 「区分記載請求書」及び「帳簿」の保存が仕入税額控除の要件になります。
④ 支払対価の額が3万円未満の場合や「区分記載請求書」の交付を受けなかったことにつき、やむを得ない理由があるときは、「帳簿」への記載及び保存により仕入税額控除をすること ができます。

3.2023年10月からは「適格請求書等保存方式」に!

(1) 記載事項の注意点
① 適格請求書発行事業者の登録を受けた課税事業者のみが「適格請求書」の発行が可能にな りますので、免税事業者は「適格請求書」の発行はできません。
② 「軽減税率の対象品目である旨」の記載は、売り手と買い手の双方が、何が軽減税率適用 対象の商品かわかるのであれば、「※」印等を付す方法以外にも、例えば、適用税率ごとに 請求書を分け、それぞれの請求書に税率を明記する方法なども認められます。
③ 「区分記載請求書」と違い、記載事項に漏れがあった場合でも、買い手が事実に基づいて 追記することはできません。その場合は正しい適格請求書の再交付を求めることになります。
④ 小売業、飲食業、タクシー業等の不特定多数の者に対して販売等を行う一定の事業を行う 場合については、取引の相手方の氏名等を省略した「適格簡易請求書」を交付することがで きます。
⑤ 偽りの適格請求書等の発行については罰則が設けられています。
(2)適格請求書発行事業者の登録等
2023年10月1日より、適格請求書発行事業者登録制度の登録を受けた課税事業者は、取引の相手方(課税事業者)から求められた場合の適格請求書等の交付及び写しの保存が義務付けら れます(適格請求書発行事業者として登録を受けた課税事業者のみ適格請求書等を交付することができます)。
なお、適格請求書発行事業者の登録については、2021年10月1日からその申請を受け付けられます。