お知らせ

副所長より:消費税の取り扱いについて(事例)

■ 調整対象固定資産を取得した場合の消費税の取り扱い

【設例】
当社は、X年7月1日に資本金800万円で設立された製造業を営む12月決算法人
ですが、設立第1期に多額の設備投資を行ったため、課税事業者選択届出書を提出して
消費税の還付を受けました。このような場合、当社が免税事業者に戻れるのは、いつか
らになりますか。
なお、この設備投資は単価が100万円以上のものであり、調整対象固定資産に該当
します。

なお、この設備投資は単価が100万円以上のものであり、調整対象固定資産に該当します。

【回答】

課税事業者選択届出書を提出した場合の課税事業者拘束期間中に、調整対象固定資産を取得した場合は、その取得をした日の属する課税期間から原則として3年間は免税事業者に戻ることはできません

したがって、上記の場合は、最短で第5期から免税事業者に戻ることができます。

【注】調整対象固定資産を取得したことにより延長された拘束期間中に、更に調整対象
固定資産を取得した場合は、そこから更に3年間の延長はありません。

 

■ 高額特定資産を取得した場合の消費税の取り扱い

【設例】

当社は、資本金800万円の製造業を営む12月決算法人で、毎期課税売上高は1000万円を超えており、消費税の計算は簡易課税により行っていました。

しかし、当期に多額の設備投資(単価が1000万円以上)を行うことが計画されていたため、前期中に簡易課税不適用届出書を提出しており、当期は本則課税により消費税の計算を行い、還付を受ける見込みです。

このような場合に、当社が再び簡易課税制度を選択できるのはいつからになりますか

【回答】

高額特定資産を取得した場合には、原則として3年間は簡易課税制度を選択することができません。この規定は、調整対象固定資産を取得した場合とは異なり、課税事業者選択届出の提出の有無にかかわらず、本則課税を適用するすべての事業者が対象となります。

【注】本則課税が強制適用される拘束期間中に、更に高額特定資産を取得した場合は、再度この規定が適用され、改めてその課税期間から3年間本則課税を継続しなければならない拘束期間が継続することになります。