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折り返し点での業績比較のポイント

期首より6か月目(半期)において、損益計算書の前年同期比較を行い、売上、 売上総利益、仕入、販売費及び一般管理費の増減を確認し、その要因を考え、さらに、損益計 算書に計上された利益が、貸借対照表において、資産や負債のどの勘定科目の増減として表れているかを確認し、その要因を考えてみましょう。

1.売上減少の要因を探る

売上を前年同期比較において、売上減少の要因をより掘り下げる上で、以下のような着眼点 があります。

  • 売上の機会損失があった。
  • 低価格や性能・品質が向上した他社・海外製品が登場した。
  • 得意先が業績不振である。
  • 営業担当があまり訪問していない。
  • 値引きや値下げが増えた。
  • クレーム対応の不手際などがあった。
  • 主力商品、ヒット商品に陰りが見え始めた。

2.貸借対照表の勘定科目の増減の意味

売上や利益の伸びに見合う現金預金の増加が見られなければ、売掛金や借入金、買掛金など の増減を確認します。
売上の伸び以上に、売掛金の伸びが大きい場合、売上代金としての現金預金が回収されてい ないことを意味し、資金繰りが苦しくなります。
在庫の増加は、売上債権同様、売上代金として回収されていないことを意味しますから、資 金繰りを悪化させます。
買掛金や支払手形の増加は、それだけ支払いに時間的な余裕があることですから、資金繰り は楽になりますが、いずれは支払いが必要なので、注意が必要です。

借入金が減少している場合は、借入金の返済があり、それだけ現金預金も減少します。 (3)収益改善への取組

上半期の業績が良くなければ、着地点に向け、収益改善を図らなければなりません。収益改 善の基本は、売上を伸ばすことですが、人口減少や消費の変化などでそれが難しいと予想され る場合には、限界利益率を上げる施策を実行することも重要です。
例えば、自社の製品やサービスを、
①単位当たりの限界利益、
②単位当たりの限界利益率、
③総限界利益、
④時間当たり限界利益、
の4つの観点から調べ、採算性の悪い製品や有利な製 品を見分けて、採算性の悪い製品は価格の見直しや撤退なども検討し、採算性の良い製品やサー ビスに集中して販売に力を入れるなど、具体的な行動に結びつけることも重要でしょう。