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個人住民税の特別徴収と「決定通知書」の見方

6月から、新年度の個人住民税の特別徴収が始まるのを前に、個人住民税の特別徴収と「決 定通知書」を取りあげました。ふるさと納税をした従業員などの質問に備えておきましょう。

1.「住民税の特別徴収税額の決定通知書」の計算過程の概要


所得金額

給与所得以外の「他の所得」に係る住民税についても
特別徴収を選択した場合には、「他の所得」が通知書
に記載される。

所得控除  平成29年分の年末調整手続きの際に申告した所得控除
がそのまま反映される。生命保険料控除について、住民税
で控除額の再計算をするため、支払った金額を源泉徴収票に
記載するようにする。
税率
10%(市町村6%、都道府県4%)
税額控除 調整控除、配当控除、住宅借入金等特別控除、寄付金税額控除など
 所得割

 所得金額から所得控除を差し引き、その残額に税率を乗じて
得た金額から、税額控除を差し引いて求める。

 均等割  標準5,000円、地方自治体によって異なります。
 特別徴収税額  所得割と均等割を合計したものです。

2.住民税が非課税になる人

(1)所得割・均等割とも非課税
① 生活保護法による生活扶助を受けている人
② 障害者・未成年者・寡婦又は寡夫で、前年中の合計所得金額が125万円以下(給与所得者 の場合は、年収204万4千円未満)の人
③ 前年中の合計所得金額が条例で定める額以下の人
【東京23区内の場合】
・控除対象配偶者又は扶養親族がいる場合:
35万円×(本人・控除対象配偶者・扶養親族の合計人数)+21万円以下
・控除対象配偶者及び扶養親族がいない場合:35万円以下
(2)所得割が非課税
① 前年中の総所得金額等が、下記の金額以下の人
・控除対象配偶者又は扶養親族がいる場合:
35万円×(本人・控除対象配偶者・扶養親族の合計人数)+32万円以下
・控除対象配偶者及び扶養親族がいない場合:35万円以下
(注1)上記の判定のため、住民税では年少扶養親族の情報が必要です。
(注2)住民税の基礎控除は33万円ですが、上記により住民税額が発生しない単身者は、65万円+33万円=98万 円ではなく、東京都の場合、年収100万円以下の者となります。

3.住民税の控除対象配偶者及び扶養親族

控除対象配偶者及び扶養親族の対象となる者は、所得税と同様に合計所得金額が38万円以下の者となります。

4.退職所得

退職金の支給により退職所得が発生する場合は、その支払の際、住民税も特別徴収する必要 があり、その支払った年度中に課税されることになります。
特別徴収している従業員が退職・転勤等したことにより特別徴収することができなくなった 場合は、「給与支払報告・特別徴収に係る給与所得者異動届出書」を市町村に提出します。
【退職者等の徴収方法】
①6月1日〜12月31日までに退職等した場合
従業員から残りの税額について、特別徴収による徴収の申し出があった場合は、未徴収税 額を退職時に支払われる給与や退職金等から一括して特別徴収します。  一括して特別徴収しない場合は、残りの税額を普通徴収に切り替え、市町村から送付され る納付書を使用して、従業員が直接納付するか、次の会社で特別徴収の手続きをとります。
②翌年1月1日〜4月30日までに退職等した場合  残りの税額については、従業員の申し出がなくても、5月31日までの間に支払われる給与 や退職金等が残りの税額を超える場合には、一括して特別徴収します。
③5月1日〜5月30日までに退職等した場合  最終月分として特別徴収します。
5.ふるさと納税
確定申告によって、ふるさと納税の適用を受ける場合は、確定申告書の第2表の「住民税・ 事業税に関する事項」欄の「寄附金税額控除の都道府県、市町村分」への記載が必要です。「決定通知書」に反映されていない場合は、記載漏れが考えられます