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再点検!売掛金管理と回収のポイント


平成32年4月1日施行の改正民法では、売掛債権の消滅時効が5年に統一され、長期化されることから、実務にも影響が予想されます。時効と簡易な訴訟手続きなども押さえておくとよいでしょう。

1.時効の中断

売掛金などの債権は、一定期間請求せずに放置しておくと消滅時効により、請求する権利が消滅します。時効期間が満了してしまう可能性がある場合には、債務者に債務を承認させれば、それまで進 行していた時効期間は、ご破算になり(これを「時効の中断」という)、その承認の日の翌日から新たに時効期間がカウントされます。
債務の承認とは、債務者に債務の存在を認めさせることで、その方法としては、債務の承認書に署 名捺印させるのが一般的ですが、一部を弁済させるだけでも債務全般についての承認になり、時効は中断します。そのため、たとえ100円でも集金し、現金の場合には必ず領収書を相手に渡すと同時に、 その控えをとっておきます。
債務者が任意に債務を承認しない場合には、本編で述べたように、訴訟等の法的手続きが必要です。 時効満了の直前で訴訟の提起が間に合わないときには、配達証明付の内容証明郵便で支払を請求すれ ば、配達された日から6か月間は時効が完成しません。
ただし、相手に届いてから6か月以内に、支払督促などの訴訟手続きを行わなければ、中断の効果 は生じません。したがって、内容証明郵便で6か月ごとに支払請求を続けたとしても、それだけでは完全に時効は中断しないため、注意が必要です。

2.支払督促

貸したり、立て替えたりしたお金や家賃、賃金などを相手方が支払わない場合に、申立人側の申立 てのみに基づいて、簡易裁判所の書記官が相手方に支払いを命じる略式の手続きです。貸金・立替金、 売買代金、給料、請負代金、家賃、敷金などの金銭の支払いを求める場合に利用できます(利用回数 は1人が同じ裁判所に年間10回までに制限)。
●特徴
① 書類審査のみで行われる手続きで、利用者が裁判所に出向いたり、証拠を提出したりする必要 がありません。
② 支払督促の手数料は訴訟の半分です。例えば、100万円の支払いを求める場合、手数料は、民事訴訟では1万円ですが、支払督促では半分の5千円になります。
③ 申立人の申立てに基づいて、裁判所書記官がその内容を審査し、相手方の言い分を聞かないで 金銭の支払いを命じる「支払督促」を発付します。

3.少額訴訟

市民間の規模の小さな紛争を少ない時間と費用で迅速に解決することを目的として、60万円以下の 金銭の支払を求める訴えについて、原則として1回の審理で紛争を解決する特別の手続きです。
●特徴
① 債権者(原告)が希望し、相手方(被告)がそれに異議を唱えない場合に審理が進められます。
② 審理では、最初の期日までに、自分のすべての言い分と証拠を裁判所に提出します。また、証 拠は、最初の期日にすぐ調べることができるものに制限されます。
③ 紛争の内容が複雑、調べる証人が多く1回の審理で終わらないことが予想されるなどのケース では、裁判所の判断で通常の手続きにより審理される場合があります。


【参考】 裁判所HP http://www.courts.go.jp/saiban/qa_kansai/index.html
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