お知らせ

会社と役員の資産・経理を明確に区分する


中小企業では、会社と役員との間で、資金や不動産の貸し借りをしているケースがよくありま す。会社と役員は、あくまでも別個の人格であるため、税務では、外部との取引と同様に、契約書を交わす、適正な利息や家賃などの支払いが必要になります。

1.会社と役員間の金銭の貸し借りでの税務上の注意点

(1)会社が役員から金銭を借りる場合
税務上は、無利息でも問題はありませんが、税務調査において役員個人の資金の出所を確認される ことがあります。これは、過去に隠匿した利益を会社資金として表立って利用するために、役員から の借入金を通して会社に資金を環流させるケースがあるためです。
役員へ利息を支払う場合には、一般的に適正と判断される利息(※)よりも高すぎると、適正な利息を超えた部分が役員への給与とされ、所得税が課税されます。
※通常、銀行借入利率と同程度、もしくはそれより低い程度
(2)会社が役員に金銭を貸す場合の利息について
役員又は使用人に金銭を貸し付けた場合、その利息相当額は、次に掲げる利率によります。 ① 会社が他から借り入れて貸し付けた場合.........その借入金の利率
② その他の場合.........貸付けを行った日の属する年に応じた次に掲げる利率

平成22年~25年中の貸付け
4.3%
平成26年中の貸付け
1.9%
平成27年~28年中の貸付け
1.8%
平成29年中の貸付け
1.7%
役員又は使用人に無利息又は低い利息で金銭を貸し付けた場合には、上記の利率により計算した利 息の額と実際に支払う利息の額との差額が、給与として課税されることになります。 (3)利息が給与として課税されない場合
次の①〜③のいずれかに該当する場合には、給与として課税されません。
① 災害や病気などで臨時に多額の生活資金が必要となった役員又は使用人に、その資金に充てるため、合理的と認められる金額や返済期間で金銭を貸し付ける場合
② 会社における借入金の平均調達金利など合理的と認められる貸付利率を定め、この利率によって役員又は使用人に対して金銭を貸し付ける場合
③ 上記①、②以外の貸付金の場合で、上記(2)の利率により計算した利息の額と実際に支払う利息の額との差額が1年間で5,000円以下である場合

2.会社と役員間の不動産の貸し借りでの税務上の注意点

(1)会社が役員から不動産を借りる場合
例えば、役員が所有している不動産を、会社の事務所や店舗などとして借りる場合、その不動産が 会社の業務で実際に使われていなければなりません。
事務所、店舗、倉庫、業務用車両の駐車場など不動産の用途や賃貸借の目的などを明確にして「不動産賃貸借契約書」や議事録などを作成しておきます。
(2)会社が役員に不動産を貸す場合  会社が所有している住宅を、役員に対して社宅として貸す場合には、役員から1か月当たり一定額 の家賃を受け取っていれば、税務上は、給与として課税されません。
税務上、一定額の家賃は、貸与する社宅の床面積により小規模な住宅と小規模以外の住宅、豪華な 住宅などに分けて計算されます(具体的な計算方法は、国税庁HP・タックスアンサー「No.2600  役員に社宅などを貸したとき」を参照)