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小さな会社の「必勝の経営術」 社長は1位づくりに強い願望を持て!

弱者の戦略とは、競争条件が不利な会社が業績を良くするための全社的な経営のやり方です。 その中心は「ランチェスターの第1法則」を応用して目標を定めて会社を運営することにあり ます。ランチェスターの第1法則は、接近戦において攻撃力が兵力数(従業員数)に比例し、 第2法則は、間隔戦・近代戦において攻撃力が従業員数の2乗に比例する法則です。この法則が会社経営にどのように関係するのかを見てみます。

1. 第1法則と第2法則、それぞれで経営した場合の違い

接近戦で戦う第1法則では、ある局面に投入されるA社とB社の営業マンの比が1対0.5のとき、経営における力関係もやはり1対0.5になります。この場合、経営力の弱いB社が0.5の営業マンを投入しても、経済的な成果(利益)は、やはり0.5となるため、効果に損得がなく、努力した分は報われます。  間隔戦、近代戦である第2法則で経営した場合は、ある局面に投入されるA社とB社の営業 マンの比が1対0.5のとき、経営における力関係は2乗比の1対0.25になります。経営力の弱いB社は、0.5の営業マンを投入しておきながら、経済的な成果(利益)は0.25にしかならないため、効率は50%減少します。熱心に経営しても、わずかな純利益しか生み出せない今日に おいて、効率が50%も減少すれば大きな赤字になることが避けられません。したがって、もともと不利な立場にある力の弱い会社が第2法則を応用すると、さらに不利になります。つまり、たとえ同じ人数でも経営のやり方の違いによって業績に大きな差がでる ことになるのです。

2. 強い競争相手との差別化をはかる

経営力の弱い会社が、「1位の会社」や「業績が古くて実績のある会社」と同じ経営のやり方 をすると、まともに2乗作用の圧力を受けて苦戦は避けられません。両者とは明らかに違う経 営のやり方、すなわち「差別化」が必要です。差別化すべき対象は、①商品、②地域、③業界と客層、④営業、⑤顧客維持、⑥組織、⑦資金と経費になります。

これら一つひとつについて、どれくらい差別化できたかの結果は、会社を何としても成功させたいという「願望や熱意」と、戦略をどれくらい「本気で研究」してきたか、「創造性や知恵」 の3つで決まります。

3. 競争目標と攻撃目標を分ける

強い会社が何社もいる業界に新規参入することは、一見、格好良く見えます。しかし、何度も言うように経営の力関係は、ある局面に投入される兵力数(営業マンの数など)の2乗に比例するため、経営力の弱い会社が、強い競争相手が何社もいる業界に参入すると強い会社から 圧迫を受けて、決して経営はうまくいきません。間違っても強い会社が何社もいる業界に参入 してはいけません。では、どうすればよいでしょうか。それは、競争相手が何社もいるが、どこも弱い会社ばかりという市場に参入することになります。そのような市場であれば、勝てるチャンスが大いにあります。このような考え方を「競争目標と攻撃目標の分離」と呼びます。

4. 小規模1位主義と部分1位主義

経営で最も重要なことは、顧客をつくることになります。顧客づくりには、かなりの経費(65〜70%)が必要となり、多くの企業が赤字になります。利益を上げるには、経費の割合を下げる必要があり、それには、小規模か部分で1位になる「小規模1位主義」「部分1位主義」の経営対策が有力です。なぜ、1位になれば経費を低くできるのかは、本編で紹介し た「市場占有率の原則」によります。「1位主義」なんてとんでもないと思うかもしれません。「目標の規模に手段を合わせようと するな。持てる手段の規模に目標を合わせよ」という格言があります。この格言は、一見簡単 なように思えますが、実はとても意味が深いものです。あなたも将来1位になれそうな市場規模が小さなものに目標を定め、その目標に長期計画で営業力を集中していけば、やがて強いものや1位のものができてきます。これが弱者の「小規模1位主義」です。商品の市場規模が大きいときは、その中で市場規模が小さなある限定された「部分」に目標を定めることになりま す。これが弱者の「部分1位主義」です。 【参考】「 『ランチェスター経営』であなたの会社が強くなる」(竹田陽一著、サンマーク出版) 他